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初めてZEHに取り組むと70万円

国土交通省、経済産業省、環境省は2019年度も、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及促進に向けた補助事業を連携して実施する。2019年3月、全国6会場で開催した「ZEH等3省合同説明会」で、各省が発表した主な事業を解説する。
 

図1

2019年度のZEHの普及促進に向けた国土交通省、経済産業省、環境省の取り組み。ZEH等3省合同説明会の配布資料。内容は2019年度予算の成立を前提としているため、今後変更する可能性がある(資料:国土交通省、経済産業省、環境省)

 

環境省の「ZEH化等による住宅における低炭素化促進事業」では、採択方式が先着順から抽選になった。一定期間公募した後、抽選を経て交付を決定する。

初めてZEHに取り組むZEHビルダー/プランナーには、一般公募とは別に、抽選を経ずに交付を決定する採択方式を採用する。1ビルダー/プランナー当たり1枠の予約が可能で、合計約1000枠を想定している。建築主がいなくも申請できるため、予約後に補助金を生かした営業が可能になる。

予約の申請は2019年5月上旬~6月中旬、補助金の交付申請は6月~7月中旬になる予定。なお、交付申請期間が終了した時点で未使用の予約枠は失効する。

ZEHの実績が乏しいZEHビルダー/プランナーの底上げとスキルアップが目的だ。2018年10月31日時点で、ZEHビルダー/プランナー登録者のうち「実績ゼロ」が57.1%を占め、いまだにZEHに着手できていないビルダー/プランナーが多いからだ。

また、ZEHビルダー/プランナーの目標未達成の理由として、2018年度の調査では「顧客の予算」が最も多かった。新たな採択方式は、こうした実情や課題に応えた取り組みといえる。

補助額は2018年度と同様、70万円/戸。CLT(直交集成板)の使用や、先進的な再エネ熱利用技術(地中熱、太陽熱)を活用する場合、定額を加算する(上限90万円/戸、要件は検討中)。蓄電システムを設置する場合は2万円/kWhを加算(上限20万円または補助対象費の3分の1)。詳しい公募情報は4月上旬に、執行団体の環境共創イニシアチブ(SII)がホームページで公開する予定。

 

図2

2017年度のZEH普及実績の集計(2018年10月31日時点)。A登録は北海道の区分、B登録は北海道以外の都道府県の区分(資料:環境共創イニシアチブ)

 

レジリエンス強化事業を新設


経済産業省は「ZEHを活用したレジリエンス強化事業」を新設する。

補助金の交付要件は、まずZEH+の定義を満たすこと。次に、停電時に使用できるコンセントを3カ所以上設置した上で、(1)容量4kWh以上の蓄電システム(2)停電時に40℃以上のお湯を60リットル×人数分確保できる太陽熱利用システムのいずれか、または両方を選択すること。

補助額は125万円で、(1)を選択すると2万円/kWhを加算(上限30万円または補助対象費の3分の1)、(2)は液体式の場合は集熱パネル面積が4m2で17万円、6m2で20万円、空気式の場合は60万円をそれぞれ加算する。

申請は建築主による個別申請方式。2019年5月13日~24日まで申請を受け付け、抽選で採択案件を決定する。詳細は資源エネルギー庁、SIIのホームページで公開する。

経産省の「ZEH+実証事業」では、ZEHビルダー/プランナー評価制度で星4つ以上の評価を得たZEHビルダー/プランナーに対し、ZEH+の事前枠申請時に優先的に1枠以上付与する予定だ。

国土交通省の「地域型住宅グリーン化事業」では、これまでの新築の「長寿命型」「高度省エネ型」「優良建築物型」に加え、住宅の省エネ性能が一定程度向上する断熱改修「省エネ改修型」も補助対象となる。補助限度額は50万円/戸。公募開始は2019年4月上旬を予定する。

なお、これらの内容は2019年度予算の成立を前提としているため、今後変更する可能性がある。

(日経 xTECH「省エネNext」公開のウェブ記事を転載)
 


 

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