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環境基本計画を改訂、「営農型太陽光」「地域新電力」推進

環境省は2018年4月17日、「第5次環境基本計画」を閣議決定したと発表した。6つの重点戦略の最初に「グリーンな経済システムの構築」を挙げ、「再生可能エネルギーの最大限の導入」を掲げた。具体策として、水素やバイオマス利用、営農型太陽光の推進を明記した(図)。

図 第5次環境基本計画の重点戦略のひとつ(出所:環境省)

 

環境基本計画は、環境基本法に基づき、環境保全に関する長期的な施策を定めるもので、中央環境審議会の答申を受け、約6年ごとに見直している。今回の見直しは、国連でパリ協定が採択された後に初めて策定される計画となった。そのため、「21世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロ」と明記した同協定の挑戦的な目標を意識し、「新たな文明社会を目指し、パラダイムシフトが必要」との方向性を打ち出した。

再エネに関しては、温暖化対策の柱としつつ、「エネルギー自給率の向上」「地域経済の活性化」の効用を重視した。その具体策として、「営農型太陽光(ソーラーシェアリング)」「地域新電力」「地域の未利用バイオマス資源」「廃棄物系バイオマス」の活用・推進などを盛り込んだ。

また、太陽光・風力を大量導入する上で課題になっている「電力系統への負荷」に関して多くの記述を割き、「送電網の広域利用」「需要側の調整(デマンドレスポンス)」「蓄電池の導入」「水素としての貯蔵」などの有効性を上げつつ、「電力系統に依存しない自立分散型の再エネの導入を進める」との方向性も挙げた。

今回の計画では、地域の活力を最大限に発揮する「地域循環共生圏」の考え方を新たに提唱したことが大きな特徴となっている。再エネの推進もこうした理念にあった「営農型太陽光」「地域新電力」などの有効性を強調したものになった。(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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