太陽光の送配電接続時の初期負担が軽減
- 18/07/06
- 太陽光発電関連ニュース・市場動向,環境に対する取組み
電力広域的運営推進機関(広域機関)は2018年6月6日、新規電源が送配電ネットワークに接続する際、工事費負担金から免除される「一般負担」の上限を一律4.1万円/kWに統一すると公表した。太陽光の一般負担上限は、従来1.5万円/kWだったため、4.1万円/kWへの変更で、太陽光発電事業者の初期の負担が減るケースが出てくる。
今回の措置は、系統コストの一部を出力(kW)に応じて発電事業者に課金する「発電側基本料金」制度の新設に伴うもの。同制度は2020年度以降、早期に導入することになっている。
従来、発電事業者が系統に接続する場合、送配電ネットワークの増強工事の費用のうち、基幹系統の増強は原則的に「一般負担」、基幹系統以外の増強は受益に応じて「一般負担」と「特定負担」に分けていた。一般負担は、託送料を通じて電力需要家が負担するため、発電事業者は、特定負担分を工事費負担金として電力会社に支払ってきた。
ただ、一般負担があまりに大きくなると、電力需要家の負担が過大になるため、電源の設備利用率に応じて、一般負担の上限額に傾斜を付けていた。設備利用率の高いバイオマス(専焼)や地熱は4.9万円/kW、石炭・LNG火力は4.1万円/kW、小水力3.6万円/kWなのに対し、陸上風力は2.0万円/kW、太陽光は1.5万円/kWだった。全体的に変動性再エネは一般負担の上限が低く、発電事業者の初期負担が大きくなる可能性が高かった。
2020年度以降、系統コストを「発電側基本料金」によってkW一律で負担する仕組みを新たに導入するため、系統接続時の初期負担についても、電源種を問わず、kW一律に変更することになった。一律の金額を決めるに当たり、過去に一般負担で系統増強した21件を調査した結果、最大値は4.1万円/kWだった。そこで、「一般負担が許容される最大値は4.1万円/kW」との前提に立ち、今回、この額に統一することにした(図)。
図 設備利用率の高低に関わらず特定負担(工事費負担金)が同じになった(出所:電力広域的運営推進機関)
これにより、太陽光や風力発電、水力発電は上限額が上がることになる。プロジェクトによっては、発電事業者の支払う工事費負担金が減る可能性が出てくる。太陽光、風力発電事業者については、初期負担が軽減され、発電側基本料金として稼働後に「分割払い」するようなイメージとなる。(日経BP総研 クリーンテックラボ)
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