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    FIT認定後の太陽光パネル過積載を事実上制限へ

    経済産業省・資源エネルギー庁は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)による太陽光発電設備が認定を取得後に、事業者が太陽光パネルの容量を積み増して売電収入を増やす「事後的過積載」を「変更認定」とする省令の改正案を公表し、パブリックコメント(意見募集)を始めている。

    パブリックコメントの受付は、2017年7月6日~8月4日となっており、意見募集を締め切った後、最短で2週間後にも施行される予定。改正案が施行されると、「事後的過積載」は買取価格が変更(引き下げ)されることになり、「パネル増設による発電量アップ」は事実上、制限されることになる。


    図 太陽光パネルの過積載の問題点を指摘(出所:経済産業省)

    これまでも太陽光発電所の「発電出力」が増える場合、変更認定となり、買取価格も変更となった。ただ、「発電出力」は、パネルの合計出力か、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力(連系出力)のいずれが低い方とされている。そのため、もともとパネル容量がPCS定格出力を上回る過積載だった発電所が、さらにパネル枚数を積み増しても、制度上「発電出力」は変わらず、買取価格も変更されなかった。

    今回の改正案では、もともと過積載の発電所であっても、太陽光パネルの枚数を増やして合計出力を変更した場合、「変更認定」とし、買取価格も変わる。変更認定となる条件は、「合計出力が3kW以上の増加」もしくは「合計出力が3%以上の増加」と明示した。

    こうした経産省の動きから、市場では、改正省令の施行前にパネルを積み増す「駆け込み増設」の動きが活発化している。一方で、固定価格買取制度(FIT)の改正により、旧認定から新認定への「みなし認定」手続きが必要で、パネル増設の申請(新認定制度下での事業計画の変更申請・届出)は、みなし認定手続きの完了が条件となっていた。

    しかし、現在、各地方経済産業局に新認定制度に関わる事務処理が集中し、「みなし認定」の審査に2カ月以上かかっている。このため、新認定制度下でのパネル増設を申請できないことが問題になっていた。

    そこで、エネ庁は7月20日、50kW以上の太陽光発電案件については、「みなし認定」手続の完了前でも、事業計画の変更を申請できる、と公表した。具体的には、改正省令の施行日の前日の開庁時間中に各地方経済産業局に到達したものまで、「変更届出」として受け付けるとした。

    パネル増設による発電量アップを意図し、8月半ばに「事業計画の変更届出」が殺到することが予想される。(日経BP総研 クリーンテック研究所)


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