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政府WGが2030年の発電コスト試算、非FIT太陽光は7円台/kWh

経済産業省の有識者会議(発電コスト検証ワーキンググループ=コスト検証WG)は7月12日、2030年における電源別発電コスト試算の結果を公表した。それによると、事業用太陽光の2030年における発電コストは、250kWの設備を政策支援なしで30年間稼働した場合、7円台後半となり、8円/kWhを切る水準まで低下し、各種電源で最安値となった(図)。

 

図 2030年の電源別発電コスト試算の結果概要(出所:経済産業省)

 

 同時に公表された他の電源のコスト(政策的経費なし、kWh当たり)を見ると、安い順に陸上風力は8円台前半~13円台後半、ガスコジェネは9円台後半~10円台後半、住宅太陽光は9円台後半~13円台後半、原子力は10円台前半~、LNG火力は10円台後半~14円台前半などとなっており、太陽光、陸上風力が原子力、火力を下回る結果となった。

 

 ただ、太陽光・風力の自然変動電源を電力系統に受け入れるための統合費用、例えば、LNG火力・揚水発電を調整力に利用した場合の固定費増加分などのコストは、最大5円/kWh近くになるとの結果も公表した。そのため、こうした統合費用を含めた発電コストでは、太陽光・風力は、火力発電よりも依然として高くなる。また、今回の試算値は、あくまで新設した場合を想定しており、既存の設備を運転した場合の発電コストとは異なる。

 

 今回の試算では、事業用太陽光は、稼働年数を20年、25年、30年の3ケースで試算しており、その結果、発電コストは固定価格買取制度(FIT)を利用しない「政策経費なし」で7円台後半~11円台前半、FITを利用する「政策支援あり」で8円台前半~11円台後半となった。

 

 事業用太陽光の発電コストを試算する上での前提は、出力250kWの設備をモデルとし、設備利用率は17.2%、設備費は現在の13.0万円/kWから2030年に9.4万円/kWに低下するものの、工事費等(建設費のうち設備費以外の費用)は現状並みと想定した。

 

 設備費の低下度合いは、「累積導入量が倍増するごとに設備費が20%低下する」という習熟曲線を用いて試算した。累積導入量の見通しはIEA(国際エネルギー機関)のStated Policy Scenario(各国における公表済み政策を加味したシナリオ)を基本とした。国内設備費の低下曲線は、世界各国平均における設備費の低下曲線には収斂せず、一定程度高止まりすると想定した。

 

 IEAとIRENA(国際再生可能エネルギー機関)の調査による2019年における各国平均の太陽光の設備費は、6.5万円/kWで習熟曲線によれば2030年には4.4万円/kWまで下がる。今回、想定した国内の2030年における設備費(9.4万円/kW)は、2019年の各国平均(6.5万円/kW)よりも高いことを考えると、国内太陽光の発電コストは、今回の試算値よりもさらに低下する余地も大きい。(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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