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    九電のルール変更で最大20%の出力制御、ISEPが改善策を提言

    九州電力管内の太陽光発電事業者は、太陽光・風力発電に対する出力制御(出力抑制)のルールを変更した4月以降、2カ月間で最大20%もの出力制御を受けている――。環境エネルギー政策研究所(ISEP)は7月30日、出力抑制に関する事業者アンケート調査結果および提言を発表した。

     

     九州電力(2020年4月から九州電力送配電)は、2018年10月から出力抑制を実施しているが、2021年4月からオンライン制御が可能な指定ルールの太陽光発電所は、全事業者を一律に「%制御」にルールを変更した。それに伴い、「無制限・無補償」の指定ルールの太陽光発電所は、4月中に19回、5月中に13回の出力制御が行われた。

     

     九州電力送配電が公表している需給データによると、2020年4~5月の平均の抑制率は9.7%だったが、2021年4~5月は14.0%に増加した(図)。一方、抑制前の発電電力量は、2021年4~5月と2020年4~5月を比較すると11%減少していた。同期間の全日日射量が約12%減少している影響が大きいという。

     

    図 九州本土エリアの太陽光発電の抑制率(出所:九州電力送配電の需給データから環境エネルギー政策研究所が作成)

     

     ISEPの事業者アンケート調査では、56件の太陽光発電所に関する回答を得た。発電所規模は低圧連系サイトから高圧連系サイトまでの多岐にわたり、太陽光パネルの平均出力は1090kW、平均連系出力は934kW。それによると、出力制御の回数(日数)は、全体的には8回から16回と2倍に増加していた。

     

     30日ルールが適用される旧ルール適用サイトでは、オフライン制御は11回から13回に微増、オンライン制御は10回から6回に減少した。一方、4月にルール変更された指定ルール発電所では3回から32回と10倍以上増加した。その結果、発電量の減少率は、発電所全体では平均12.6%減なのに対し、指定ルール発電所では19.4%減となった。

     

     ISEPは、大きな出力抑制をそのまま放置すれば、他電力管内に類似運用が波及し、新規投資も低迷することで2030年46%削減目標が達成できなくなるため早急な改善策が必要と指摘。以下の5点を緊急に提言した。「石炭火力発電の停止を含めて、最小限に絞り込むこと」「原発稼働スケジュールを見直すこと」「優先給電(出力抑制)ルールを見直すこと(原子力との入れ替え)」「出力抑制に対して経済的に補償すること」「地域間連系線ルールの見直しと拡充を図ること」。(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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