大規模太陽光の第3回入札も「上限価格は非公表」
- 18/11/02
- 太陽光発電関連ニュース・市場動向,環境に対する取組み
固定価格買取制度(FIT)の調達価格等算定委員会(以下、算定委)が2018年10月24日に開催され、2019年度の買取価格を算定するための参考として、再生可能エネルギーの各電源の業界団体へのヒアリングを実施した。この会合で、太陽光の第3回入札に関して仕組みの再検討を求める発議がなかったことから、第2回と同様、「上限価格を非公開」として実施することになった。
特別高圧送電線に連系する大規模太陽光に関しては、2017年度から入札制が導入されている。第1回では、応札量が募集容量を下回ったこともあり、事前に示した上限価格で落札された案件が2つあった。そのため第2回では、非公開の算定委を開催して上限価格を決め、非公表のまま、入札を実施した。
その結果、入札に参加した9件の合計容量(196.96MW)は、募集容量(250MW)を下回ったものの、すべての案件が、非公表にしていた上限額(15.50円/kWh)を上回り、「落札者なし」という結果に終わった。
こうした結果に関し、前回の算定委では、「第2回の落札がゼロになったことを踏まえ、第3回入札では、上限価格を事前に公開することも検討の余地がある」と発言した委員もいた。ただ、第3回入札は、すでに「上限価格・非公開」と決まっており、それを変えるには、委員が再検討を求める発議を行い、議論・決定するという手順になる。
一方で、第3回入札のスケジュールは、2018年11月9日が事業計画審査の締め切り、2018年12月7日が入札募集の締め切りになっている(図)。この日程に間に合わせるには、2018年10月24日の算定委で委員が発議し、上限価格の扱いを「非公開」から「公開」に変える必要があった。
図 大規模太陽光の第3回入札のスケジュール(出所:経済産業省)
事務局(経済産業省)によると、「こうした事情は事前に各委員に周知してあり、その上で、2018年10月24日の会合で発議がなかったことから、第3回入札は、第2回と同様の手順で進めることになり、上限価格は非公開となった」という。
前回の入札では、上限価格「15.50 円/kWh」で「落札者なし」となったものの、4案件(合計136MW)が第1回の最低額(17.20円/kWh)を下回る16円台/kWhを付けた。こうしたなか、算定委が第3回入札の上限価格を前回のまま維持するのか、さらに下げてくるのか。上限額を決める非公開の算定委における討議内容がどの程度、事前に公開されるのか。今後の進め方もたいへんに注目される。(日経BP総研クリーンテクラボ)
これからの時代は太陽電池パネル選定が今まで以上に重要になってきます。グローバルのトップ企業トリナ・ソーラーの高品質で高パフォーマンスの製品の中から最適なパネルをお選びください。